2017年2月15日水曜日

夜更けのルーズボール

さよならを言うためだけに乗ってきたバスの背中がうつくしかった

貼っているカイロのほうが体温で自分がどこかわかりにくいな

イヤフォンをゆるくはめなおして風が歌いだすなら楽しい夜だ

いくつもの家路を支えてる高架下のガストでとっている暖

コンビニの窓から道へ垂れている光の涎を猫がぬぐった

明け方に製氷皿をねじったら古びた夜のひび割れる音

流れない涙のように溜まるから右折レーンにいるとさびしい

beginからbeginningってなるだけで i はふたつも山を越えてる

あたたかいものとつめたいものがごちゃまぜのこころとコンビニ袋


ゆぶねに浸かるときに感じるさびしさでテレビスターの訃報にふれる



この連作は、2017.2.25 「大阪短歌チョップ2」内の朗読イベント「お名前ちょうだいできますか」で朗読しました。
その際に配ったレジュメにあわせて、最後の2首を入れ替えています。

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