2017年4月25日火曜日

信用ならない情報社会を生きる好奇心旺盛なカルチャー女子へ向けて短歌をつくりました

5/18発売予定の小学館の雑誌[Maybe!]vol.3に短歌を寄稿しました。
「Maybe! 美術館へようこそ」という、CASIOのBABY-Gとのコラボレーション企画のページで、前回は最果タヒさんの詩だったみたいです。
 
寄稿したのは[One Minute Horizen]というタイトルの5首連作です。コンビで参加してくれた安福望さんの絵もとてもよく、夏を先取りした作品に仕上がっています。ぜひ書店で雑誌をさがして手にとってみてください。(コラボページは後日CASIOさんのWebサイトにも展開されると思いますが、読み応えのある記事が満載の雑誌ですのでぜひ)
 
Maybe!は「世の中の真実が読める! 新しくてリアルなファッション&カルチャーマガジン」と謳っていて、「信用ならない情報社会を生きる好奇心旺盛なカルチャー女子へ向けて、たぶん、これが世の中の真実だと思われることを毎号特集テーマに合わせて、調査、考察して発信します。」とのこと。読者のほとんどは短歌になじみがない気がします。信用ならない情報社会を生きる好奇心旺盛なカルチャー女子の目にふれるところを想像するとびびりますが、ひとりでも多くに何かしら響けばいいなと思います。

なお、そのページのプロフィール欄に「サイレンと犀」の公式ホームページのURLを載せたので、5月半ばまでにはホームページが公開されます(宣言してから一年かかってしまいましたが)。

つつましいスキップ

リモコンの電波がぼくの灰色の車へ桜吹雪を抜けて

第二夜の冒頭でおさらいできる二夜連続の一夜的日々

春は飛ばせない広告 葉桜が終わるまでSKIPできません

おろしたての憂鬱だからできるだけ光の届かない場所で履く

フレンチクルーラーの空気は新緑の季節がいちばんの食べごろさ

2017年4月7日金曜日

気づかないほうのかなしみ

点字ブロックの点からの影が午後五時を知らせている高架駅

雨がやむのを待っていたはずなのが帰りたくなかっただけだった

映像が一部乱れてみんなからはぐれて春のほどよい寒さ

Your video will play after this ad. ふくらんだ桜並木の真っ暗闇に

1Kにレジャーシートを敷きつめて簡易な海ですこしだけ泣く

秒針のうしろでずっと鳴っている神が引き摺るサンダルの音

ポケットに入れた切符がやわらかくなるまでひとり春を寝過ごす

それなんの祈り? 素足にパンプスを吹きだまりの桜につっこんで


2017年4月3日月曜日

『サイレンと犀』カレンダー 4月

春だから母が掃除機かける音聴きたくなって耳をすませる  /岡野大嗣

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カレンダーの絵は『食器と食パンとペン』の安福望さんに描いていただいています。
歌集『サイレンと犀』も引き続きよろしくお願いします。


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2017年3月28日火曜日

水たまりは仲のいい雨(ノーカット版)

みずうみは大きめの池
池は大きめの水たまり
水たまりは仲のいい雨



これ、以前に31音におさめたけどこのままのほうがいいなと思った。
みずうみは/大きめの池/池は大きめの水たまり/水たまりは/仲のいい雨
「5・7・13・6・7」ということで。

軽度のメリーゴーランド

きっかけになったけんかはわからない仲直りから始まった夢

起き抜けのカーテン越しの夕焼けにぎりぎり今日を拾ってしまう
 
これは無為? かと思ったらアディショナルタイム 審判ナイス判断
 
毎日が軽度のメリーゴーランド春の花屋は忙しいから

くずれてたケーキはきっと帰り聴いていたロックンロールのしわざ

あるとして季節のなかで春にだけ副音声の鳴っている夜
 
「車間距離ぎゅんぎゅんつめてくる系の春の気配は苦手です」 冬
 
二回目で気づく仕草のある映画みたいに一回目を生きたいよ

2017年3月14日火曜日

ぬすみみる春

オンエアで聴いて気になってた曲のメモ寝かせたら宝石になる

訃報ききながら廃品回収のハザードランプで団地がきれい

国語便覧が荷台にはためいて正岡子規が空を見ている

街灯のつもりで見てた満月がそうとわかってからふくらんだ

し残したことのしかかる午前二時エバーノートの象と目が合う

2017年3月1日水曜日

『サイレンと犀』カレンダー 3月

歌詞わからないまま好きな洋楽のそういう良さの暮らしをしたい  /岡野大嗣

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カレンダーの絵は『食器と食パンとペン』の安福望さんに描いていただいています。
歌集『サイレンと犀』も引き続きよろしくお願いします。


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船便の往復書簡

藤 明日香さんとの往復書簡ブログポッキーとプリッツを、ものすごく久しぶりに更新しました。

今回は文章じゃなくて短歌です。今回は、といえるほどの更新ペースじゃないんですが・・・。次は文章を書きたいです。

2017年2月15日水曜日

夜更けのルーズボール

さよならを言うためだけに乗ってきたバスの背中がうつくしかった

貼っているカイロのほうが体温で自分がどこかわかりにくいな

イヤフォンをゆるくはめなおして風が歌いだすなら楽しい夜だ

いくつもの家路を支えてる高架下のガストでとっている暖

コンビニの窓から道へ垂れている光の涎を猫がぬぐった

明け方に製氷皿をねじったら古びた夜のひび割れる音

流れない涙のように溜まるから右折レーンにいるとさびしい

beginからbeginningってなるだけで i はふたつも山を越えてる

あたたかいものとつめたいものがごちゃまぜのこころとコンビニ袋


ゆぶねに浸かるときに感じるさびしさでテレビスターの訃報にふれる



この連作は、2017.2.25 「大阪短歌チョップ2」内の朗読イベント「お名前ちょうだいできますか」で朗読しました。
その際に配ったレジュメにあわせて、最後の2首を入れ替えています。

2017年2月2日木曜日

『サイレンと犀』カレンダー 2月

あんぱんを缶コーヒーで流しこむ刑事のようにチョコを待ってる  /岡野大嗣

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カレンダーの絵は『食器と食パンとペン』の安福望さんに描いていただいています。
歌集『サイレンと犀』も引き続きよろしくお願いします。


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2017年1月25日水曜日

回数券で見る夢

404 not found 初夢のどこにあなたは隠れていたの

あの世にも家電量販店はあって光回線の勧誘も居る

「あ、7」と書き直すまで時は2016年のふりをしている

まぶしすぎるテレビ売り場にいくつもの東京的な夜の遠景

たった今うれしい夢をみていたようれしかったのだけが分かるよ

2017年1月3日火曜日

『サイレンと犀』カレンダー 1月

ずっと欲しかった写真集を買って帰り道ずっとうれしくなった  /岡野大嗣

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本年もどうぞよろしくお願いします。

カレンダーの絵は『食器と食パンとペン』の安福望さんに描いていただいています。
歌集『サイレンと犀』も引き続きよろしくお願いします。


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