2015年8月31日月曜日

『サイレンと犀』カレンダー 9月

きみがきみの道を向くとき僕はそのうしろで小さくならえをするよ /岡野大嗣

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カレンダーの絵は『食器と食パンとペン』の安福望さんに描いていただいています。
歌集『サイレンと犀』も引き続きよろしくお願いします。



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2015年8月19日水曜日

ため息になびく白い旗

第一歌集の『サイレンと犀』が増刷されることになりました。
初版は絶対に届けきろうと思っていたのでうれしいです。
手にとって読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
見るたびに違って見えるような不思議な味わいの、
飽きのこない素敵な装画を描いてくれた安福望さんにも感謝の気持ちでいっぱいです。
あの旗のいっぽんいっぽんが、『サイレンと犀』の短歌だと思っています。

今回増刷される第二刷では、監修の東直子さんに加えて、
敬愛するシンガーソングライターの長谷川健一さんにも帯文を寄せてもらいました。
自分の好きなミュージシャンに自分の歌集のイベントで歌ってもらえて、
さらに帯文まで書いてもらえることになるなんて、出版前は考えもしていなかった。
「自分で自分のかてになっていく」とはこういうことだなあとしみじみ。

『サイレンと犀』の表紙の色とりどりの旗のなかに一本だけまぎれこんでいる白い旗は、
長谷川健一さんの『白い旗』という曲に捧げたもの。
この曲の歌詞の「何百年と変わらない人の心のやさしさを新しい僕たちは持て余してる」という一節が本当に好きで、
僕はこの一節を「何百年と変わらない」という初句で始まる短歌として愛唱している。

「ととととライブ」で長谷川さんに教えてもらって驚いたのが、
長谷川さんの奥様が写真家で、穂村弘さんの『短歌の友人』の表紙写真を撮影した人だったということ。
初めて買った(歌集以外の)短歌の本は『短歌の友人』だったので、ああ縁だなあと思った。

フィルムで撮ることを続けておられるそうです。
見たことはないはずなのに、どこかで見たことのあるような風景。ため息のような写真。
サカネユキさん web site




2015年8月13日木曜日

折ッ句ス

俺はラジャ 闇のルートで白い粉ラクに捌いて狡くやってる

リークされラジャはからがら月の夜クアラルンプールまで逃げ落ち

付き人がラジャにとうとうノーを突き返したわけだ 「割に合わねえ」

雲隠れるにも金だ 利が良くてづぐづぐ削るケバブの丸太

吸える葉を物好きたちに売りにゆく遠いところでリオ・デ・ジャネイロ


※初出大阪短歌チョップメモリアルブック』内の企画「タイトル無茶ぶり五首競詠」に寄稿
・お題は飯田和馬さんより。
・1首目から順に「おやしらず」「りらっくま」「つらのかわ」「りづけ」「もうとり」で、それぞれ初の1文字目を追うと「おりつく」になっていま

2015年8月10日月曜日

文書3

落ちてから自分だったと知るような死に方の夢からのおはよう

土曜日のタオルケットのはだざわりだけだよぼくにやさしいものは

ひろったらホチキスで羽こわされていた蝉だった 夕立が来た

そういうのいちばんきらいですと言われそれを心に織り込む作業


何も死ぬことは無かったのに、という励ましが死後ぞくぞく届く

れすといんぴいす

雨の上がった気配のしてる窓の外の遠くでしてる音、踏切の

トイレにもクロスは貼られそこにNationalの灯りが産み落とす影

凄い速さで通過する駅のホームにもそれ相応の心臓の数

目洗いが高く吹き上がって虹のなりそこないを見せるから見る

焼香の上げ方が検索窓に残っててこれ、いつ誰のとき

楽しさのピークに入るあたりから雑になってくトートのなかみ

客電が落ちきったあと湧く私語の明るみ方は蛍に似てる

地下鉄の乗り場から吹き上げてくる風につつまれながら笑った

キャッチするつもりは無しで投げ上げた自転車の鍵 その先に月

吹かれれば二度と元には戻らずに済むとんこつの粉になりたい

れすといんぴいすれすといんぴいすフタの上で液体スープ温めながら


※初出:「とととと展」 葉ね文庫さん展示用 連作として

2015年8月7日金曜日

軽い息継ぎ

フイルムをたまに買ってた写真屋の跡地のモデルルームの跡地
指で窓つくってのぞく飛行機のあれって何機数えてたっけ
紙袋で持たせてもらったネーブルを嗅いでいる一人掛けシートで
赤ちゃんがマスクのぼくをじっと見るできるだけ目で笑ってあげる
カフェで観るライブのときに厨房で食器のこすれあう音がすき
数えるほどのはしゃいだ夜のことも忘れる昼間の月を見失うように
離れていく街の灯りをさっきまであの中にいたぼくが見ている
降りてきた神様みたいな老人を匿っているコインランドリー
指で窓つくって飛行機を探すふりカウントはゼロに戻して
最後の客を降ろしたバスが運転手とうすきみどりの光をはこぶ

初出:第20回文学フリマ向け『新鋭短歌シリーズ 文学フリマ参加記念冊子』

2015年8月4日火曜日

『サイレンと犀』カレンダー 8月

ここじゃない何処かへ行けばここじゃない何処かがここになるだけだろう /岡野大嗣

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『とととと展』でばたばたしてしまい、更新が遅くなってしまいました。すみません。
いよいよカレンダー更新のためだけのブログになってしまってきているので、
近々、『とととと展』『ととととライブ』の感想を書こうと思います。

カレンダーの絵は『食器と食パンとペン』の安福望さんに描いていただいています。
歌集『サイレンと犀』も引き続きよろしくお願いします。

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