2013年9月25日水曜日

必ず手に入れたいものは誰にも知られたくないけれど君には言いたい

じゃあここで一句!と振ってくる奴を今から一緒に殴りに行こうか

さよならは済ませときたい四捨五入すれば秋だと思えるうちに

車窓から花火が見えて5秒後にそのふもとからメールが届く

もし僕がイナバ物置だったなら100人ぜんぶきみを乗せたい

一年に二人以上は渡れない橋で僕らはまたすれ違う

降りぎわに「じゃあ」と握った手のかたち合えば二人の「またね」は祈り

愛用のアプリによると仏滅は二千年後も健在である

#あと二時間後には世界消えるし走馬灯晒そうぜ



過去につくった歌の中から、数字が入った歌をいくつか集めてみた。
算用数字と漢数字の使い分けには結構気をつかっているつもりだけど、
こうやって並べてみると、どんな基準で使い分けているのか自分でもよく分からない。
短歌に数字を入れるときは、音数合わせの都合上「2」と「5」が多くなりがちだけど、
これからは違う数字も入れていきたい。

3首目は第四回 天神祭短歌大賞に投稿した歌。
この短歌賞で大賞をねらうには、お祭りの現場にもっと近づいて詠まないと駄目だろうと思っていた。
大賞を取れなかったのは残念だけど、賞をきっかけに自分らしい歌を残せて満足している。
でも、賞金の5万円でギターを買うつもりだったのでかなしい。

2013年9月22日日曜日

「君」が出てこない歌

一軒で何でも揃うコンビニをはしごして揃えるマイランチ
日経歌壇(9月22日) 穂村 弘 選
(穂村さんの評)
自らの日常的な振る舞いをこのように言語化することで、天国と地獄が一体化したような今の日本の姿が浮き彫りになった。

今週の日経歌壇は、木下龍也さんと鈴木晴香さんに挟まれて僕の短歌が載っていて、

「短歌ください」みたいなことになっていた。
嬉しかった。でも、

眠ってるのは君なのに夢見てるのは僕だった雨の病室 /木下龍也
(穂村さんの評)
切なさと甘さ。どこか歌詞的な愛唱性がある。

君がまだ起きている部屋ぢぢぢぢと明かりにぶつかる虻になりたい /鈴木晴香

(穂村さんの評)
「君」を求めつつ辿り着けない感覚。「ぢぢぢぢ」の音によって切実さが増した。

僕の短歌にだけ「君」が出てこなくて、そのことは少し寂しかった。

君がいない。早朝からずっと、脳内でZARDが流れ続けている。

木下さんと鈴木さんの歌は、並べると互いへの相聞歌として読める。
たぶん、穂村さんはそのように意図して選んでいる。
二作品とも音の響きが美しい。

岡井隆さん選の方に載っていた、



上流でとても知的な生活をするひとが汲む水が飲みたい /砂山ふらり

の「とても知的な生活をするひと」はオリオンみゆき氏のことだろうか。
これも「君」に置き換えて読んでしまって、また寂しくなった。
(岡井さんの評)
「とても知的な生活」という言い方に詩がある。しかも「汲む水」への憧れだ。

あと3ヶ月で今年も終わるし、日経歌壇の穂村さんにももう少し短歌をあげたい。

できれば「君」の出てくる歌を。
一刻も早く脳内のZARDを鳴り止ませたい。

2013年9月19日木曜日

短歌meetsMusic 62

言われれば私のものでレントゲン写真の肺は夜空のようだ  /浪江まき子
meets(田中茉裕/小さなリンジー

2013年9月17日火曜日

とらのこみていたかげおくり

くもりのちあめのちくもりくちべにをひく母さんの手つきはきらい

いいないいなにんげんっていいなって歌ってもいいのはくまのこどもだけだよ

しにたいとおもえば母の声がして <しまじろうもがまんしてたでしょう?>

静脈の青色だった ちいちゃんにならって影を送った空は

死ぬという出口がそばにあることの希望にすがりつつ生きている

2013年9月9日月曜日

選曲パネル

あと7年死んでも生きると言うひとの車でずっと聴くエグザイル

かごに入れて持ってきたのはマイクだけ選曲パネルは元から部屋にあったことを覚えておく

エメラルドグリーンに白の配色は好きでお金を持たないでゆくニトリ

ラジオ越しにもよく分かるぱみゅぱみゅを言うときかすかに走る緊張

i で今井メロが出てきて楽しくて僕らはみんな生きていると思った

2013年9月6日金曜日

今日活字になった歌

僕を切り売りするような感覚で切り取る分割証明写真

ダ・ヴィンチ『短歌ください』(2013年10月号)第66回「写真」 
(穂村さんの選評)
実感がありますね。「僕を切り/売りするような/感覚で/切り取る分割/証明写真」と、五七五七七のリズムによって、現に内容が「分割」されているところもいい。
プリクラではそういう感覚にならなかった。1回しかやったことないけど。

他にもう1首だけ送っていて、載るとしたらこっちの方かと思っていた。
でも今見るといまいちな気がする。
それ用に撮ってないから歯を見せておだやかな目の指名手配者

自由詠の方に載ってた木下さんの短歌。
僕用の墓だと思う地下駐車場で車を眠らせるとき /木下龍也 
作者コメントとして引かれていた「エンジンを切り、ふっと静かになるあの瞬間が好きです」は
分かるなあ。あの瞬間はいい。小さな死。

あと、工藤吉生さんの短歌が題と自由の両方に載っていて、
それぞれ工藤さんらしくてよかった。
桜の木見上げて写真を撮るひとの片方曲げた足がよかった /工藤吉生 (題「写真」) 
精子以前、子のない頃の父の食う牛丼以前、牛や稲穂や /同 (自由詠)
自由詠の方の「精子」を、僕は勝手に「たね」と読んでいたので、
音数もぴったりでぐいぐい読めて気持ちいい歌だと思った。
工藤さんの代表歌のひとつになりそうな予感。

僕も、来月号のは題も自由も自信があるんだけど、両方載るといいな。

恰好いいおじさんの愛と云ふ名の個展

冊子『短歌の夜明けらしきもの』『五年経つのに』の写真でお世話になっている
高木亨さんの個展が、大阪市西区で開催されています。

グラフィックデザイン展「LOVE AFFAIR〜愛と云ふ名の不幸に就いて」


9月16日(月)まで。
近くにお越しの際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

高木さんは写真だけじゃなく、グラフィックデザインも、本人も格好いいですよ。
僕の知りうる範囲では、見た目も考え方も一番格好いいおじさん。
おじさんと呼ぶのは失礼な気がするけど。
あと10日間か。行けるかな・・・

※会場に行けば御本人に会えるというわけではありませんが、
熱望すれば会えるかもしれません。