2013年8月27日火曜日

短歌meetsMusic 61

一瞬のああそのような印象を大切として人を記憶す  /永田紅
meets(白い旗/長谷川健一)

短歌meetsMusic 60

目の奥に夜をおさめてやさしかった真昼のことを胸にとかした  /東直子
meets(Lia Ices/Love Is Won)

そんなもん何でか知らん

引っこしは命かけてもしたくない何でか知らん岸和田が好き /福島悠人

 天神祭短歌大賞 子ども部門 短歌ウィーク賞入選作(テーマ「大阪」)

ウォームアップ

他愛ない依頼のはずが文章にしたら何だか脅迫じみて

戦争に理由は要らず王様が「しかしながら」と言えば始まる

逃げ切れば金が貰える社会には住んでいなくて履くコンバース

陽が昇ることを希望に置き換える歌が聞こえてここは日本

血は僕を勝手に巡る期限付きパスを首からぶらぶらさせて

作者と作品

ライブで歌う姿を見て、MCの世間話に笑わされたりしているうちに、
好きだったアーティストのことをもっと好きになることがある。

短歌でも同じようなことがある。
好きな短歌をつくるひとに会えて、少し話す。一緒にお酒を飲めたりするとなおいい。
そうすると、それ以降、そのひとのつくる歌からは息づかいが聞こえてくるような気がして、
その歌をより深く読みたい気持ちが生まれてくる。

作者と作品は別物でいいと思う。
ただ、作者と作品の間に、似ているところを見つけると少し嬉しい。
ふとした仕草が母親のそれにそっくりな子供を見たときのような気持ち。

はまぐちひろこさんのことは、ライブで歌う姿を見てもっと好きになった。
その感覚が、この映像を通して少しでも伝わるといいな。
こんなに楽しそうに歌うひとを、他にあまり知らない。
僕もこんなふうに楽しく歌いたいし、その姿をひとに見てもらいたいと思っている。










2013年8月12日月曜日

『こじらせた自意識で人生を楽に生きる5つの方法(仮題)』

くさいものには蓋をするためのその蓋がそもそもくさいのですが

人のふり見て我がふりを直すとか「一緒にどう?」くらい言ったれよ

ガン無視もお手を振っての御声援として捉える生き方もある

ここじゃない何処かへ行けばここじゃない何処かがここになるだけだろう

もし明日晴れたら恋をしてみよう雨でもとりあえずしてみよう

食べ物を粗末にしないためのアイデア Vol.1

翻るたびにぽろぽろ星屑がこんぺいとうになる星条旗

納豆の糸を紡いで納豆の布を織る簡単なお仕事

バゲットの袋を牛蒡用に折り直すお仕事 経験不問

ひとが死ぬ理由はきらいラスイチの蒟蒻ゼリー食べたのは僕

ブルーベリージャムの空き瓶に詰まった煮干しと首だけの煮干しと目

2013年8月11日日曜日

今日活字になった歌

「危ないところマップづくり」で町に出て危ないところを見つけてうれしい
毎日歌壇(8月11日) 加藤 治郞 選
4月頃に、とある方が企画した突発的なWeb歌会らしき場に提出した歌。
「危ない」を「あぶない」と表記するかは迷ったけど、見たままの事実通りにした。

「感情を表す言葉を使わずにその感情を表現しよう」ということを
公式のように捉え過ぎると、読むのもつくるのも息苦しくなると思う。
単に「嬉しい」「楽しい」という言葉が入っているというだけで
その歌の価値を下げるような読み方はしたくないし、
つくるときにも、「もしかしたらストレートな言葉を使った方がいいんじゃないか」という検討は入れるようにしたい。

あと、毎日歌壇は投稿してから2ヶ月後くらいに載るっぽいことが分かった(まだ2回しか載ってないけど)。
日経歌壇は13日~1ヶ月半くらい。
投稿を検討している方の参考になれば幸いです。

2013年8月1日木曜日

まがいもの

ロッチだよ 君がビックリマンシールだって思っていたものぜんぶ

この歌に丁寧な評をつけていただいた。
こちらのブログの〈2013.07.27〉の記事で読めます。
西村湯呑さんブログ 『あるあるのうた』

思い入れのある歌なので嬉しい。西村湯呑さん、ありがとうございます。


フェイクだよ三角くじの内側を見ずに行くべき方角を言え /中澤系

を読んで、「フェイクといえばロッチだな」という着想を得て生まれた歌なので、
勝手にオマージュだと思い込んでいる。
中澤系さんの「断定する初句切れ」が生むドライブ感、たまらなく好きだ。

氷の歌

学校は4限目 ぼくは溶けきった氷まくらの音を聞いてる

ともだちは家に呼べない味の無い氷がおやつなんて言えない


ヒースロー空港で見た外国のひとも氷におしっこかけてた


北極の氷は溶けてゆく僕がだらしなくてもそうじゃなくても




暑中お見舞い代わりに、『夜はぷちぷちケータイ短歌』の氷テーマに投稿した過去作を並べてみました。

3首目までが穂村弘さん選、4首目は東直子さん選。

同じテーマの投稿歌のなかで印象に残っているのは次の歌。
背筋にひゅっと冷たいものが走って、涼しくなれる一首です。



回りつつが水に溶かされる 最も静かな共食いとして /大平千賀

「最も静かな共食い」という鮮烈なフレーズと、作者が大平さんだったことを覚えていたので検索できた。

『夜ぷち』の投稿歌もまとめて単行本にすれば、『短歌ください』みたいに売れると思うんだけどなあ。