2012年7月27日金曜日

『短歌の夜明けらしきもの』 思い出ぽろぽろバージョン

『エキチカヘブン ファイナル』に何らかの歌詠みたちを観に来てくれた方と、
観には行けなかったけど遠くから応援してくれていた方へ。

当日配った『短歌の夜明けらしきもの』に、

・木下龍也さんによる、背筋に冷たいものが走る冒頭文章
・飯田和馬さんによる、思い出をフリーズドライしたライフログ短歌
・岡野大嗣による、感謝の気持ちを表したあとがき文章
・飯田彩乃さんによる、上から目線短歌

と、当日の会場風景の写真を散りばめたアルバムページを追加した
思い出ぽろぽろバージョンを鋭意制作中です。

ページをめくれば、
あの日の思い出が光と風と汗のにおいとともに鮮やかによみがえるように
心を込めて編集しています。

それを皆さんにプレゼントしたいのです。

ご希望の方はコメント欄にコメントを残しておいてください。

後日、発送の段取りを案内させていただきます。


出来るだけ希望の方全員にプレゼントするつもりですが、
発送は、当日観に来ていた方から優先にさせて頂きます。ご了承くださいませ。

『エキチカヘブン ファイナル』 感想2

『エキチカヘブン』の入場料は1ドリンク込みで3000円。

「何らかの歌詠みたち」以外にも沢山の表現者を観ることができるとはいえ、
CD1枚買ってお釣りが来るチケット代を払ってまで
わざわざ堺くんだり(堺市すみません)まで応援に駆けつけてくれた人が沢山いた。

遠路はるばる新幹線を乗り継いで来た人もいる。

だから、観に来てくれたみんながイベントそのものを楽しんでいるのを見ると
ほっとしたし、すごく嬉しかった。

自分の出番以外、みんなの笑顔ばかり探していた気がする。

エキチカヘブンの他の出演者の方を観ていて思ったのは、
みんな自分に対して茶化すことなく、
ふざけるのもかっこつけるのもぜんぶ大真面目にやっていること。

自分はといえば、ちょっと照れ隠ししていた部分もあったし、
もっとストレートに気持ちを込めて朗読すればよかったな、と
すこし悔しい気持ちを残してしまった。

朗読用のレジュメにつけたタイトルは『短歌の夜明けらしきもの』

何らかの歌詠みたちの短歌の夜明けらしき朗読なんて、
あらかじめ言い訳の余地を残したような
我ながらふざけた言い草だ。

その懺悔というわけではないけど、
いつの日か「これが短歌の夜明けだ」といえるようなものをつくりたい。
という気持ちが、今になってふつふつしまくっている。

イベント当日はお祭りの喧噪にかまけて、
雑なありがとうを繰り返してばかりいた。
一人ひとりにちゃんと感謝の気持ちを伝えられたかどうか不安だ。

だからここでもう一度きちんと言っておく。

みんな本当にありがとう。

三十一文字でどこまで行けるかやってやろうという気になれました。

『エキチカヘブン ファイナル』 感想1

去る7月15日(日)、
名前はまだなゐpresents『エキチカヘブン ファイナル』に
「何らかの歌詠みたち」として
客演させていただいた。

『名前はまだなゐ』というのは、
「芝居とは呼べない何かをつくる」という曖昧なコンセプトにより始動し
「奇天烈朗読POP」というのを標榜したり
「全ての人生はああと」を胸に活動している
何らかの芝居集団。

リーダー役の杉田真吾くんは
僕の幼稚園来の友人であり、
僕が短歌をはじめた頃からの熱心な読者であり、
熱いハートの持ち主なのにそれでいてやけに爽やかな男である。

『エキチカヘブン』は、
杉田くんの好きな表現者や杉田くんを好きな表現者たちによる
芝居、漫才、音楽、演劇などをごちゃまぜにした
ブッキングイベント・異種格闘技大会で、
そこに短歌朗読というスタイルで参戦した。

ひとりでは心細いので、
木下龍也さん(傍観担当)、飯田和馬さん(花束担当)、
そして紅一点の飯田彩乃さん(ワンピース着用)のお三方を召還し、
「何らかの歌詠みたち」というチームを組んで、
舞台であり天国となる 『コミュニティカフェpangea』に
満を持した雰囲気を醸しつつ乗り込んだのであった。


『名前はまだなゐ』HP
http://namaehamadanahi.org/namaehamadanahi.html

サウンド・オブ・サイレンス

一年に二人以上は渡れない橋で僕らはまたすれ違う

会うときも別れるときもサイレント映画のなかの二人は無言

うらがわのかなしみなんて知る由もないコインでも月でもないし

ねばらずに投了告げる この棋譜はうつくしいまま残したいから

さみしさを体現したい風船のトイプードルがしぼむみたいに

2012年7月26日木曜日

ただの実況

動かない勇者のために効きづらい十字ボタンをがんばって押す

母さんの指が器用に鶏の解体品を竹串に刺す

水平に右腕伸ばす人を乗せ右に曲がっていくバイシクル

お茶碗は左お箸は右だからコーチが上げている腕は右

トイピアノからぽろぽろとみずみずしいおたまじゃくしがこぼれおちてる

しなやかな憂鬱

目薬の味が広がる昼下がり 別に誰にも会いたくはない

叫んだら何が僕から出るのかを確かめに行くひとりカラオケ

千円で叫ぶ自由を買いました ドリンクバーも付いてきました

王将と雀荘とフラ教室が雑居しているビルのゆううつ

しなやかに生きると決めた日の指は将棋の駒を持つなりをする

2012年7月25日水曜日

『第二回 天下一短歌会』への展望

天下一短歌会は、「短歌で殴り合おうぜ」と煽りまくった割に
ふたを開けてみれば、

1stラウンド→決勝ラウンドという方式以外、
従来の歌会とそんなに変わるところはなかったことにお気付きの方も多いことに
僕もうすうす気付いている。

そこで、第二回開催に向けて皆さんのアイデアを募集したいです。
叩き台を用意しました。
忌憚のない意見を聞かせてください。
いいアイデアがあれば教えてください。

【叩き台】

・第1回決勝ラウンド進出者5名にはシード権を与えてご招待

・予選を設ける、戦わせ方は未定

・本戦はトーナメント形式で歌合風にうたあわせる

・ばちばち 歌合わせて うたあうたあ うたあわせる

・詠草参加ばかりになって会場に岡野と木下しかいないことになると実質岡野が1人で運営しないといけなくなるので、現地参戦可能な方向けに優先枠を設ける?

『第一回 天下一短歌会』 お礼

『天下一短歌会』という名の歌会を企画し、運営した。

いろいろ感想を書こうと思っているうちにもう10日以上も経ってしまった。

間が空く→大層なことを書かないといけないという気持ちになる→書けない→間が空く

という悪循環に終止符を打ちたいので、
ひとまず感謝の気持ちだけ
ここに改めて表明しておきます。

自宅を会場として快く明け渡してくださった牛さん、じゃこさん

檀可南子さん、まひろさん、天国ななおさんによるユーストリーム中継技術スタッフ

遠くからも駆けつけて盛り上げてくれた現地参戦・観戦者の方

リアルタイムで積極的に意見をぶつけてくれた遠隔参戦者の方

追加応募枠に応募してくださった方

天下一短歌会アカウントのフォロワーの方

本当にありがとうございました。

そして、傍観に次ぐ傍観で
終始ぼくをあたたかく傍観してくれた木下龍也さん、
あなたの賛同とセンス溢れる傍観がなければ
『天下一短歌会』は成り立ちませんでした。

第2回開催時も
こっぴどく傍観してください。

いなくなる

通夜を終え友の不在をスチールの椅子のパイプの冷たさに知る

ねるまえに奥歯の奥で今朝食べたうどんの七味息ふきかえす

戦闘機ぶつかりそうになりながら空に描いてゆくラテアート

プルトップまわりに埃めだちだす四十九日の友のコーヒー

もう声は思い出せない でも確か 誕生日たしか昨日だったね

ファーストシューズ

強くなく優しくもない人たちが生きていますね どうしてですか

柏手を打つ手をとめて神主が両手でひろうファーストシューズ

倒されてしまう間際の自転車に間にあってやさしく立てなおす

ひとしれず磨り減ってゆく靴底のおかげで靴は靴でいられる

黒髪であろうと軽く染めようと根元が黒くなろうともきみ

ふいうち

乗客の背中に**と指で書き「すき」と耳打つ駅係員

かみそりを持って床屋が囁けば「あなたをずっと探してました」

いま虫が口に入っていきました死の瞬間に立ち会いました

ゴミ箱を漁っていたらゴミ箱が「もしよかったら住んでください」

「私だ」と名乗り挙げれば「お前か」と答える人のいる神々しさ

表裏一体

最後までおべんと箱に残されるなら好かれてる、か、嫌われてる

欺瞞だよ のぶ代がぼくを辞めてからぼくはぼくではないぼくなんだ

生きるって何?と聞いたら「死なないでいることです」と発話するSiri

神様はゲイ、とカートが叫んだら「逆も然り」と返す神様

寒い夜だからあなたを待ちわびるけど暑い夜には近寄るな

2012年7月24日火曜日

セ界とパ界

マーブルの水ヨーヨーが地を叩く 世界が消えるときは一瞬

CMの後の世界に行けばもうそこは正解だらけのはずだ

ドット絵の勇者になって圏内に花を捧げる四月一日

もうきみのいない世界の真夜中のドライアイスにへばるゆびさき

(僕だけが知らない+きみだけが知らない)秘密=世界

なんとなく夏

えっ、七時なのにこんなに明るいの? うん、と七時が答えれば夏

気付いたらなんとなく夏だったからナウプレイング透明少女

宵闇にブルーハワイのベロというベロが浮かんでいる夏祭り

富士山に男児が叫ぶ 「おかあちゃん、先にあがるでスコール飲むで」

それはもう深くふかあく甘夏に親指埋めたままねむるきみ

恍惚感

妖精が自陣ゴールにレイアップシュートを放つ土曜日の午後

自殺点だったとしても一瞬の恍惚感はあるはずだろう

一匹の虫も殺したことのない右手によって遂げた精通

悪気なく抜いた羽毛が大振りで本物すぎて戸惑っている

僕だけが僕の右手が左手の五倍淫らなことを知ってる

誤解

それ違う話じゃないか?ハンプティ・ダンプティはアリスの父兄ではない

ぐずついた天気が続きます明日も全国的に亀が降るでしょう

ロッチだよ きみがビックリマンシールだって思っていたものぜんぶ

起動時のパキパキ音は妖精が巻き込まれてる音 仕様です

聞く耳を持ってないんじゃなくてただ家に忘れてきただけなんだ

ひとりごと

ねえ地面、街ゆく人の足取りが今日は軽いと思うのですが

山に来て里にも野にも来た春が来ない 注文通ってますか?

トイレットペーパー聞いてくれ僕は芯になるのがしんそここわい

悲しみに道で会ったら「こんにちは」って大きな声であいさつをする

(この丸は?)まま(この丸は?)あたし(この丸は?)ぱぱ(この丸は?)おひさま

チェーン展開

コンビニに入ったときに「うっ」とくる匂いを「うっ」のままやり過ごす

機種変の手続きとして聞かされる敬意の感じられない敬語

一万円入りまーすと大声で言わないでくれカツアゲに遭う

『研修生(いつも笑顔で接客を心がけます)矢野』の舌打ち

105円棚に延々三代目魚武濱田成夫の詩集

さよならマーチ

一枚のティッシュペーパーを二枚に引き離したらほらさようなら

さよならは少しずつした方がいい脱水症に気をつけながら

帰りたくない帰りたくない帰りたくないけれどさよならマーチ

これはそう、さよならだけどさよならじゃないに出来ない方のさよなら

じゃあまたね (ここでいったんCMを入れたまんまでさよならします)

夢と希望

お求めの夢と希望は店頭の在庫限りとなっております

信じれば夢は叶うという説を信じ続けた被害者の会

ひとにやさしいひとのやさしいうそにやさしいひとはだまされやすい

若いとき買ってまでした苦労から発癌性が検出される

年に約三万人の自殺者は三万人として括られる

2012年7月23日月曜日

みえないちから

キノピオのカートに潜みルイージがバリトン声で「兄さんを轢け」

じゃじゃ丸によればぽろりはムテ吉に対して訴訟辞さない覚悟

じゃじゃ丸が降板になる はに丸の「はにゃ」の埴輪の一声により

ドナルドの視線を追えば斜交いにカーネルが居てただならぬ夜

村民が幸福になる イオンへの忠誠心の高い順から

僕は死にません

もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい

ああそんなちっさい文字の死にたさはじき老眼で見づらくなるよ

絶対に死にたくないと言っていたあの俺はいつ死んだんだろう

シリアスな闇を抱えて生きているふりをするのが流行っています

ならべるとひどいことばにみえてくる頑張れ笑え負けるな生きろ

ドレッシング

三時間以内に出れば料金は安く済むけど続けませんか

誰とでもいいからしたいのです ただ出来ればきみじゃない方がいい

誕生日だからいいでしょ かけたいの ドレッシングをきみの顔にも

すいませんもうしませんがもしかしてまたしてしまうかもしれません

今後ともどうぞよろしく今後もう会わないつもりだけどよろしく

あおいそら

神様はかつてイブには星空をアダムに青い空を与えた

抜けるほど青い空って絶望と希望を足して二で割った色?

『成人の被服における違和感のないデニム生地率の考察』

よこしまな念のある日は戒めにボーダーシャツを着ているわたし

ボーダーといってもそれはあくまでもセントジェームス風のしまむら

明日着ていく服がまだ決まらない全裸で行くのだけは避けたい

鯉に餌与えるようにファスナーを下ろせば現れる人の影

全裸なら見せてやるけどファスナーの中は覗くな(第2の方ね)

正しいレッテル

結局は顔なのよねと言う人の顔がきれいなことは少ない

完璧な関西弁は完璧な美人と同じ意味であやしい

もし今日が地球最後の日としても自己啓発をきみはするよね

行ったことないけどたぶんアメリカはアメリカ的な国なんだろう

きみの言う世界の嘘も真実も池上彰製のやつでしょ

歌会たかまがはら 『花・植物』

微速度で撮った発芽の動画にも神は映っていませんでした
(放送内、天細女聖さんと飯田和馬さん 選)

たんぽぽ?と話しかければ暗やみに咲くその花に黄色が灯る

世の中の数多の花は僕に名を知られぬままに咲き枯れていく
(放送外、飯田和馬さん 選 2首)

いくつもの死の瞬間に立ち会って花瓶の底は清らかである
(放送外、天細女聖さん 選 1首)

小学生の頃、
初めて発芽シーンの映像を
観たときのことをよく覚えている。


確かアサガオだったその発芽の様子は、
カーテンを閉め切った視聴覚室の暗やみに浮かぶ
大きなスクリーンに映し出され、
それがナレーションのニュートラルな声と相まって、
なんだかとても神秘的な映像に思えた。

放送外選の2首目「世の中の~」は、
ゲストの飯田和馬さんが詠まれた

ほとんどの花は私に知られずに咲いているからこの薔薇がいい

と視点が似ていて嬉しかった。
エキチカヘブンで1日一緒に居たから似たのかもしれない。

「咲き枯れていく」と「この薔薇がいい」という結句の違いに、
和馬さんと僕の歌の性格の違いが表れていると感じた。

「歌会たかまがはら」ブログ
http://blog.goo.ne.jp/utakai_takamagahara

キャッチコピー

「パパ消去。そう、新しいおとうさんスイッチならね」 from Apple

おとうさんスイッチ4の新機能1.おとうさん自爆スイッチ

JINSからのび太ラインの新型の剛田殴打後モデルがDebut!

『本当の自分を探す旅 2泊10日1000円』 H.I.S.

よくわかる 『そうだったのか!レディ・ガガ』池上彰 忽ち二版

2012年7月22日日曜日

青いポスト

雲ひとつない青空の壁紙に閉じ込められて暮らしています

「強く押すボタン」を弱く押したのにやっぱり鳴った火災報知器

更新の通知を閉じる「あとで知らせる」のチェックはまた外さずに

駆けだしてしまいたいのに目の前も右も左も後ろも崖だ

立ちつくす あきれるほどに春先の青いポストに指を噛ませて

お洒落

お洒落という言葉を書いてみて
「あれ、なんか字面がお洒落じゃない」と思って
おしゃれとかオシャレと書いてもやっぱりお洒落じゃなくて、
スタイリッシュという外来語に変えても
やっぱりなんかスタイリッシュじゃないことに気付いたとき、
その人は、それに気付いていない人より少しだけお洒落になれる。

2012年7月20日金曜日

ベンチ

ベンチが僕を呼んでいる。
呼んでいるから腰掛けてみる。

呼んでくれただけあって
座り心地はとても良い。
長居したくなり、
読みかけの文庫本の続きをめくる。

物語が終わって本を閉じ、辺りを見る。
昼というには遅すぎて、
夕方と呼ぶには早すぎる頃。

時間が僕のためだけに流れている気がする。

ベンチに横になり、
文庫本をアイマスクにして
本のにおいをかいでいるうちに眠りに落ちる。

誰かが僕を呼ぶ声がして目が覚める。

アイマスクを外して辺りを見る。
誰もいない。

そんな夢をたまに見る。


2012年7月19日木曜日

活字になった歌

キャスターは眉をひそめて「通常の通り魔像と異なりますね」

日経歌壇(7月15日) 穂村 弘 選


「通常の通り魔像」という言葉の不気味さ。それを自然にやりとりする世界の怖さ。

第2ファスナー、開きました

これまでにつくった短歌か
新しくつくった短歌を
アップしていきます。

短歌以外のこともたまに書くようにします。

ページのデザインは
ちょっとずつ整理していきます。

ファスナーは、
全開だったり
半開きだったり
開いていなかったりすることもあると思いますが、
どうぞよろしくお願いします。